山口県

妖怪

夜霧に潜む赤い目の怪

それは、蒸し暑い夏の夜だった。山口県の山間部に位置する小さな集落。そこに住む俺は、都会の喧騒を離れ、祖父母の古い家を借りて暮らしていた。古びた木造の家は、昼間は静かで穏やかだったが、夜になると妙な気配が漂う。特に、裏山の森から聞こえる風の音...
学校

旧校舎の夜泣き

山口県の山間にひっそりと佇む小さな町。そこには、今から20年ほど前、僕が通っていた中学校があった。学校は古びた木造の旧校舎と、比較的新しい鉄筋コンクリートの新校舎が隣り合って建っていた。旧校舎は普段使われることはなく、ただひっそりとそこに存...
実話風

哭き声の響く古井戸

明治の頃、山口県の山深い村に、寂れた集落があった。そこは鬱蒼とした杉林に囲まれ、昼なお暗い場所だった。村の外れに、古びた井戸があった。石組みは苔むし、縄は朽ちて、底は黒々とした闇に呑まれていた。村人たちはその井戸を「哭き井戸」と呼び、近づく...
妖怪

闇に潜む異形の足音

山口県の山間部にひっそりと佇む小さな集落。そこに暮らす俺は、幼い頃から祖母に言い聞かされていた。「夜道を一人で歩くな。山の奥には得体の知れないものが潜んでいるからな」と。20年ほど前、俺がまだ高校生だった頃の話だ。あの時、俺は確かにそれを目...