怖い話

実話風

無言の参拝者

今から数十年前、愛媛県の山深い村に、小さな神社があった。村人たちはその神社を『奥の宮』と呼び、代々大切に守ってきた。神社の裏手には鬱蒼とした杉林が広がり、昼間でも薄暗く、鳥の声すら途絶えるような静寂が支配していた。村の古老たちは、子どもの頃...
実話風

廃屋に響く子守唄

数年前、愛知県の山間部にひっそりと佇む小さな集落に、俺は友人の誘いで訪れていた。友人の実家がその集落にあり、夏休みの数日間をそこで過ごそうという計画だった。集落は古びた家々が点在し、昼間でもどこか薄暗い雰囲気が漂っていた。携帯の電波はほとん...