大阪府の片隅にある古い一軒家。そこに住む家族は、謎の呪いに取り憑かれていた。
ある晩、家族の母親が夜中に目を覚ますと、リビングから微かな声が聞こえた。彼女は恐る恐るリビングに向かい、そこにいたのは、彼女の息子だった。しかし、息子の姿はまるで別人。目は真っ黒で、声も低く、まるで何かが取り憑いているかのように。
「ママ、私はもうここにいないんだよ。助けて。」
驚いた母親は慌てて息子を抱きしめたが、その瞬間、息子は苦しそうに咳き込み、血を吐いた。母親は恐怖に駆られ、病院に駆け込んだが、医師は原因不明の症状だと言うだけだった。
その後も、家の中では奇妙な現象が続いた。夜中に誰もいないはずの部屋から子供の笑い声が聞こえたり、家族の誰かが鏡を見ると、そこに映るのは自分の顔ではなく、見知らぬ老婆の顔だったりした。
家族の父親はこの不可解な現象を解明しようと、地元の歴史を調べ始めた。そして、彼はこの家がかつて何かの儀式が行われていた場所だという噂を聞きつけた。そこで行われたのは、魂を交換する恐ろしい儀式で、代々家族がその呪いに苦しめられてきたというのだ。
この発見に恐れをなした父親は、専門家に相談することを決意した。訪れたのは、呪いや霊的な問題を扱う知識を持つ霊能者だった。彼女は家に入るとすぐに異常なエネルギーを感じ取り、儀式を行った部屋を指摘した。そこでは、床に刻印された奇妙なシンボルが見つかった。
霊能者は、呪いを解くために特別な除霊の儀式を行うことにした。しかし、儀式の最中、突然強風が吹き荒れ、家の中の灯りが一斉に消えた。暗闇の中、家族は恐怖で固まった。そして、霊能者の声が聞こえた。「この呪いは深い。私一人では無理だ。」
それでも、彼女は必死に呪いを封印しようとしたが、その努力も虚しく、家族の長男が再び異常な行動を示し始めた。彼は、部屋の隅で何かを囁き、時折笑い声を上げる。家族はこの現実を受け入れられず、最終的にその家を去ることを決断した。
しかし、呪いは彼らを追い続けた。新しい家でも、同じような現象が再発した。子供たちは夜中に悪夢にうなされ、母親は見知らぬ声に呼びかけられ、父親は常に誰かに見張られている感覚に苛まれた。
結局、彼らは日本を離れ、海外に移住することを選んだ。それでも、時折、夢の中であの古い家の影が彼らを訪れ、恐怖の記憶が消えることはなかった。
この話は、呪いが家族をどれだけ深く、長く苦しめるかを示す、恐ろしい実話である。