古い山小屋の秘密

古い山小屋の秘密 怪談
古い山小屋の秘密

青森県の深い山奥には、古い山小屋が一つだけあった。

今から20年前、その山小屋は地元の若者たちの間で話題になっていた。特に夏の夜、キャンプやバーベキューに使う場所として人気だった。しかし、何人かの若者がそこで体験した恐ろしい出来事は、その小屋を訪れる人々に深い恐怖を植え付けた。

ある夏の夜、数人の友人グループが夜遅くまで山小屋で楽しんでいた。彼らは笑い声を上げ、焚き火を囲みながら夜更けの静けさを満喫していた。だが、夜が深まるにつれて、その静けさが次第に不気味なものに変わっていった。

一人の少年が、一番奥の部屋に用事があって入った時、部屋の隅に置かれた古い鏡を見つけた。その鏡は黒ずんでいて、何かがその奥に潜んでいるかのような不思議な雰囲気を漂わせていた。彼が鏡に近づくと、鏡の中に自分の姿ではなく、見知らぬ男の顔が映っていた。驚いた彼はすぐに友人たちを呼び集めた。

その男の顔は、恐ろしいほどに青白く、目は黒く沈んでいた。友人たちもその異常な現象に驚き、急いで山小屋を出ることを決めた。しかし、その鏡の秘密はそれで終わりではなかった。

彼らが小屋を出ようとしたその時、外から聞こえてくる足音が増えていった。まるで誰かが彼らを取り囲むように、音はどんどん近づいてきた。パニックに陥った友人たちは、懐中電灯で周囲を照らしたが、誰も見当たらない。

翌朝、彼らは無事に山を下りたが、その夜の恐怖は彼らの心に深く刻まれた。その後、その山小屋は訪れる人が減り、地元の人々の間では「呪われた小屋」と噂されるようになった。

数年後、一人の勇敢な男がその小屋に再び足を踏み入れた。彼はその鏡の秘密を解明しようとしたが、二度と姿を現さなかった。それ以来、小屋の周辺では、夜になると遠くから男の泣き声が聞こえると言われている。

この話は、青森県の山奥で今でも語り継がれ、地元の人々に恐れられている。あの山小屋に近づくことは、誰にとっても最後の冒険となるかもしれない。

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